日航の国際線で昨年12月、乗務前日に飲酒した機長と副機長(いずれも当時)からアルコールが検出され出発が遅れた問題で、出発前に体調不良を訴えた機長らの様子を見た客室乗務員(CA)が、運航を再考するよう会社側に提言していたことが16日、同社への取材で分かった。整備士も運航に懸念を示していたという。
同社は、時間が経過してアルコールが検出されなくなったことなどから「誤検知」と判断。提言を採用せず、機長らが乗務した便を約3時間遅れで出発させた。
日航によると、昨年12月1日のオーストラリア・メルボルン発成田行き便の出発前、自主検査でアルコールが検出された副機長は大量の水を飲んだとみられ、乗員との打ち合わせの際に水を嘔吐した。機長も腹痛を訴え遅れて出勤し、不審に思ったCAが、現地の空港所長らに運航を再考するよう提言したという。
だが、副機長が検査を繰り返すと最終的にアルコールが検出されなくなり、機長も産業医との面談で体調に問題はないとされたため、本社は乗務可能だと判断した。