厚生労働省は、全ての国民が受け取る基礎年金(国民年金)を底上げする改革を実施するかどうかの判断を2029年以降に先送りする調整に入った。底上げは厚生年金の積立金を活用して、給付水準を改善する。ただ厚生年金加入者や企業には反発の声があり、国庫(税)負担も兆円単位で新たに必要となる。このため政府内から慎重論が出ていた。関係者が16日、明らかにした。
厚労省は年金制度改革の関連法案を通常国会に提出する考えだ。底上げを可能とする規定を盛り込む一方、実施の判断は先送りする。
29年には公的年金財政の健全性を5年に1度点検する「財政検証」を行う予定。