【ワシントン共同】世界銀行は16日公表の最新の世界経済見通しで、2025年の世界全体の実質成長率を2.7%とし、24年6月時点の前回予測を据え置いた。新型コロナウイルス流行前の成長率をなお下回る。トランプ次期米政権も念頭に、政策の不確実性の高まりや貿易の分断などで「逆風が吹く可能性がある」と警告した。日本は1.2%に上方修正した。
世界経済は26年にかけて「幅広く、緩やかに拡大する」が、コロナ流行前の10年間(10~19年)の平均を0.4ポイント下回ると指摘。「成長見通しの低迷と逆風は、断固たる政策措置の必要性を強調している」とし、各国が物価の安定や税収増、歳出の合理化に取り組むべきだとした。
ルールに基づく多国間貿易システムを守るために「国際協力の強化が必要」とも訴えた。
26年の世界全体は2.7%を見込んだ。日本は0.9%とし、25、26年は設備投資が堅調に推移し、賃金上昇に伴い個人消費も改善すると予測した。
25年の米国は好調な個人消費を背景に0.5ポイント引き上げて2.3%とした。