【ワシントン共同】米スペースXは16日、月や火星への有人飛行、人工衛星や宇宙望遠鏡の輸送へ利用を目指す大型宇宙船「スターシップ」で7回目の無人飛行試験を実施した。南部テキサス州の施設から打ち上げ、宇宙空間に出た後に通信が途絶えた。同社は「上昇中に機体が分解した」と発表した。データを精査し原因を究明する。
スターシップは米主導の国際月探査「アルテミス計画」で現在は2027年に予定されている有人月面着陸に使われる予定。スターシップや宇宙服の開発状況に引きずられ、月面着陸の時期は相次ぎ遅延。さらなる遅れも懸念される。
スターシップと、打ち上げに使った大型ロケット「スーパーヘビー」を組み合わせると全長は史上最大の123メートル。今回は大気圏突入時の熱対策や航法システムを刷新した機体を初めて使っていた。試験は23年4月から実施、機体の分解や損傷を繰り返しては対策を重ねてきていた。
スーパーヘビーは宇宙船との通信が途絶える前に上空で分離して出発地点に戻り、発射台に備えた2本のアームでキャッチした。