【ソウル共同】韓国の高官犯罪捜査庁(高捜庁)は19日、「非常戒厳」宣言を巡る内乱首謀容疑で尹錫悦大統領を逮捕した。ソウル西部地裁が同日午前2時50分(日本時間同)ごろ、証拠隠滅の恐れがあるとして逮捕状を発付した。現職大統領の逮捕は初めて。15日からの拘束期間を含めて最長20日間の身柄拘束が可能となり、捜査が本格化する。尹氏の起訴は不可避との見方が強い。
尹氏の一部支持者は逮捕状発付に反発して暴徒化。地裁敷地内に乱入して外壁を破壊したほか、窓ガラスを割って建物内に侵入し、内部を破壊するなどした。韓国メディアによると、警察は建造物侵入の現行犯で45人を拘束した。
高捜庁関係者は、尹氏に対して19日午後2時に取り調べに応じるよう要請したと明らかにした。
地裁は18日に逮捕状審査を開き、尹氏が出席。弁護団によると、尹氏は「韓国の危機的な状況を述べ、非常戒厳の正当性を説明するのに最善を尽くした」という。戒厳令の宣言は統治行為で内乱罪に当たらないと訴えたが、地裁はこうした主張を退けた。