高野山の守護神として知られる和歌山県かつらぎ町の世界遺産・丹生都比売神社で19日、豊作を祈願する伝統芸能神事「天野の御田祭」が開かれた。地元の御田祭保存会の人々が1年の稲作の様子を滑稽に演じ、大勢の参拝客らを楽しませた。
神事では、楼門の下にござを敷いた舞台に、面や烏帽子を着け、くわとすきを持った「田人」「牛飼」が登場。問答などを繰り返した後、牛の姿の「一石」らを呼び寄せ、田作りや田植え、鳥追い、稲刈りなどの所作を演じた。
見せ場は、お多福面を着け、もんぺをはき女装した「田ヅ女」の登場。観客にご飯を配り歩く際、腰を振りながらもんぺを引っ張り上げる演技に、何度も会場が沸いた。