愛媛県今治市の繊維加工会社「西染工」が県や大学と連携し、毛が絡みにくいペット用のタオルを開発、販売し好評だ。特産品「今治タオル」の品質基準を満たして吸水性を維持しつつ、毛を取り除きやすい工夫もした。同社の福岡友也商品事業部長（56）は「安心安全で便利。お手入れの時間も楽しんでもらいたい」とPRしている。
同社は、ペット用商品の展開を目指す県産業技術研究所の提案を受け、2022年度から開発に着手。今治市にキャンパスを置く岡山理科大獣医学部とも連携し、学生らにサンプル品を実際に使用してもらい、改良を重ねた。
一般的なパイル生地のタオルで犬などの体を拭くと、大量の毛が付着し、洗濯後も残るのが課題だった。そこで、表面を毛が絡みにくいガーゼ繊維で覆い、付着しても取り除きやすいように加工。内側はパイル生地を用い、吸水性を損なわないようにした。洗濯、乾燥後の毛の残存量は従来品に比べ約3割減った。
完成した新商品「pet towel」は1枚3520円で、グレー、ブルー、ピンクの3色。綿100％で皮膚に優しく、横33センチ、縦95センチで扱いやすい大きさを意識した。今年11月下旬から同社のインターネットサイトで販売している。
福岡さんは「売れ行きは予想以上に好調で、ペット向け商品の需要の高さを感じる。さらなる新商品の開発にも挑戦したい」と意気込んでいる。