南海トラフ巨大地震による津波発生に備え、JR九州は22日、宮崎県川南町内の海沿いを走る日豊線の線路上で、乗客を列車から高台に避難させる訓練を行った。同県では昨年8月と今月に最大震度がそれぞれ6弱と5弱の大きな地震に見舞われており、警戒感が高まる中、同社の社員や警察、沿岸の高校に通う生徒らが参加した。
訓練では、運転士のみの4両編成のワンマン列車が走行中、震度6強の地震が起き、大津波警報の発令を受けて緊急停車した状況を想定。高校生ら約240人の参加者が乗客役となり、車両の外に脱出して約100メートル離れた高台まで避難した。
運転士が旗を振りながら誘導するなど、具体的な避難方法を確認。車両のドアから地上の線路までは成人男性の胸元ほどの高さがあるため、障害のある乗客を想定し、はしごを用いて車外に出る手順も確かめた。
宮崎県では昨年8月、日向灘を震源とする最大震度6弱の地震があり、気象庁は初めて南海トラフ地震臨時情報を出して関連を調査し、「巨大地震注意」を発表した。