性暴力の被害者救済を目的とした相談支援事業を巡り、大阪府は2025年度当初予算案に前年度比約3倍となる事業費約6千万円を計上する方針を固めた。NPO法人が運営する支援拠点が存続の危機に陥ったのを受けて、府が運営費を直接負担し、新たに拠点を整備する。関係者が23日、明らかにした。
支援拠点は「性暴力救援センター・大阪SACHICO(サチコ)」で、現在は大阪府松原市の民間病院に置かれている。国内各地にある「ワンストップ支援センター」の一つで、24時間体制の相談や緊急避妊薬(アフターピル)の処方をはじめとする支援を提供している。
だが医師不足に伴い病院の協力を得るのが難しくなり、24年度末での退去を通告された。サチコが「相談があっても診察できない被害者が増えている」と窮状を訴えたほか、府内の市議会ではセンターの存続と体制強化を求める意見書可決が相次いでいた。
府は24年度予算に盛り込んだセンター運営の補助事業を拡充。運営委託費4016万円のほか、拠点整備費2053万円を盛り込む。