【ソウル共同】韓国の高官犯罪捜査庁(高捜庁)は23日、「非常戒厳」宣言を巡る内乱首謀容疑で逮捕した尹錫悦大統領を送検した。高捜庁には今回の捜査で起訴権がなく、検察が2月上旬に判断する見通し。尹氏が取り調べを拒否し捜査は難航しており、検察の判断を仰ぐため当初予定より早く送検した。
一方、憲法裁判所は23日、尹氏の弾劾審判で、戒厳令を尹氏に進言したとされる金龍顕前国防相(内乱罪で起訴)の証人尋問を行った。尹氏も出廷した。金被告は、戒厳令に関し首都圏の軍部隊を全て動員すべきだと提案したが「尹氏は少数兵力だけを投入するよう指示した」と強調。国会封鎖の意図はなかったとする尹氏側の主張に沿う発言を繰り返した。
金被告は政治活動などを禁じた布告令の草案を自身が作成したことを認め、尹氏が内容を問題視しなかったと明かした。尋問に加わった尹氏は、布告令は形式的なもので、あえて手を加えなかったと説明した。
弾劾審判では、戒厳令の違法性を検討し、尹氏の罷免の是非を判断する。今回が第4回弁論で、尹氏の出廷は21日に続き2回目。