【モスクワ共同】ロシアの同盟国ベラルーシで26日まで行われた大統領選で、中央選挙管理委員会は27日、現職のアレクサンドル・ルカシェンコ大統領（70）が約87％を得票したと発表した。タス通信が報じた。強権統治で昨年に在職30年となり「欧州最後の独裁者」と称されるルカシェンコ氏が7選を決めた。
計5人が立候補したが、ルカシェンコ氏の圧政に批判的な候補の出馬が封じられた無風選挙だった。欧米や国外にいる反政権派は民主的選挙でないとして選挙結果を認めないとしている。
前回の20年の大統領選では、ルカシェンコ氏の6選に抗議する市民デモが1カ月以上続き、当局は徹底弾圧で対応。治安当局が拘束した市民は5万人以上に達したとされる。前回選挙で得票2位と発表された反政権派のチハノフスカヤ氏は国外脱出を余儀なくされ、他の主要な反政権派も獄中か国外にいる状況で、今回は大規模デモは起きない可能性が高い。
ルカシェンコ氏は今回はデモを許さないとして、警戒態勢を強化。政権に批判的な有権者が多い在外投票を実施しなかった。