【エルサレム共同】「故郷に戻れるのは大きな喜びだ」。パレスチナ自治区ガザ中部や南部で長期の避難を強いられていた多数の住民が、荷物を抱え北部に向かった。ガザ南北を隔てる「ネツァリム回廊」が一部開放された27日、親しい人と抱き合って涙を流して喜ぶ姿があった。だが北部は徹底的に破壊されており、将来を悲観する声も上がった。
元教師のジャワド・イスマイルさん(50)は、北部ガザ市から中部デールバラハに避難していた。この間、妻を失い「心に重くのしかかっていた」という。
故郷では、近隣住民らとの再会を楽しみにするが「大切なものを失っていることに気づくかもしれない」と語り、涙を浮かべた。