36人が死亡、32人が重軽傷を負った2019年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、一審京都地裁で死刑判決を言い渡された青葉真司被告(46)が控訴を取り下げたことが28日、分かった。大阪高裁が明らかにした。死刑が確定した。取り下げは27日付。
一審京都地裁は昨年1月、完全責任能力を認め、死刑を言い渡した。弁護側が、責任能力を巡る地裁の判断に誤りがあったとして大阪高裁に控訴し、控訴趣意書を提出していた。控訴審でも責任能力が争点になるとみられていた。
過去には、本人が控訴を取り下げて死刑判決が確定した後、弁護人が無効を主張して最高裁まで争ったケースもある。今後の対応について、青葉被告の弁護団は明らかにしていない。
京アニの代理人弁護士は取材に対し「状況が定まらないうちはコメントは差し控える」とした。
判決は「被告は妄想性障害だった」と認定した一方、放火殺人を選んだのは被告の意思で「妄想の影響はほとんど認められない」とし、完全責任能力を認めた。