【北京、ワシントン共同】中国の新興企業「DeepSeek(ディープシーク)」が開発した生成人工知能(AI)モデルが業界に衝撃を与えている。低コストで開発、高性能を実現し、一部性能は米競合に並んだとされる。27日の米株式市場では競争力低下への懸念からAI関連株が軒並み下落した。28日の東京市場でも、朝方から半導体関連株が値を下げた。
米国は中国のAI開発を遅らせるため最先端半導体の輸出を規制しているが、戦略修正を迫られる可能性もあり、開発競争は激化しそうだ。
創業者の梁文鋒氏はAIを活用したヘッジファンド運営で財をなし、2023年に同社を設立。昨年12月に公開した対話型生成AIは、訓練に要したコストを557万ドル(約8億6千万円)に抑えた。対中輸出が制限されている米エヌビディアの最先端半導体を使わずに開発。中国メディアは開発コストは米競合の「10分の1以下」だと報じた。
さらに今月20日に発表した新モデルは、米オープンAIの「o1(オーワン)」に匹敵する性能を達成したという。