【パリ共同】フランスのマクロン大統領は28日、建物の老朽化や入館者の増加に伴う混雑が指摘されているパリのルーブル美術館を大幅に改修・拡張する計画を発表した。行列緩和のため新たな入館口を設置し、人気が高いレオナルド・ダビンチの名作「モナリザ」は新設する特別室に展示する。
地元紙パリジャンによると、ルーブル美術館のデカール館長はダチ文化相に宛てた13日付の機密文書で、建物の老朽化で漏水が起きているほか、温度変化で作品の保存が危ぶまれているケースもあると指摘。混雑も深刻化しているとして、大幅な改修を求めていた。
モナリザの鑑賞には専用チケットの購入が必要になる。2031年までに敷地の東側に新たな入館口を設置。これらの拡張工事とは別に、老朽化した既存の建物の大幅な改修も行う。
フランスメディアによると、総事業費は今後10年で7億~8億ユーロ(約1130億~1300億円)に上る。大半は美術館の自己資金や企業の寄付で賄われ、マクロン氏は「納税者に負担はかけない」と強調した。