4月開幕の大阪・関西万博を見据え、税関当局が水際対策を強化する。各国の政府要人や多くの観光客が訪れることを念頭に職員を増員。海外から持ち込まれる展示品検査などのため、万博会場内に出張所も新設した。
大阪市住之江区・人工島咲洲にある大阪税関のコンテナ検査センターでは、トラックごとエックス線で調べられる。荷受人からの申告と違う物や怪しい荷物が見つかれば、違法薬物や爆発物が紛れ込んでいる可能性を疑い、探知犬が出動することもあるという。
万博の会期は4月13日~10月13日で、来場者は約2820万人を見込む。税関は大阪や関西空港の職員を中心に増員する方針だ。
テロ組織を連想させる旗や雑誌なども警戒対象となる。薬物密輸といった摘発事例を職員間でリアルタイムで共有できるシステムもフル活用。監視艇で会場周辺での薬物取引などにも目を光らせる。
会場となる夢洲には大阪税関の「国際博覧会出張所」を新設。海外から関税のかからない展示物が多数置かれるため、申請通りの場所にあるか、不審物がないかも確認するという。