【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)が新型コロナに対する緊急事態宣言を出してから30日で5年。宣言は2023年5月に解除されたが、昨年も各地で流行が再来し、これまでに世界で少なくとも700万人が死亡した。新たな特徴を持つ変異株も次々と生まれ、今なお感染者に重篤な症状や後遺症を引き起こし、死者は増え続けている。
WHOによると、今月12日までの過去4週間で新たに報告された世界の感染例は約13万件、死者は2800人を超える。
WHOで新型コロナの解明・対応の技術責任者を務めるマリア・バンケルコフ氏は「数値は過小評価だ」と指摘。新型コロナへの関心低下に前後して多くの国が検査態勢を縮小したとみられ、定期更新する統計に反映させられている加盟国はほぼ半数にとどまる。
昨年は、年初には新たな変異株「JN・1」の感染が世界で拡大。さらに派生した「KP・3.1・1」が主流に。免疫から逃れる力がより強いとされ警戒感が広がったが、パリ五輪で40人以上の選手らの新型コロナ陽性が判明するなど猛威を振るった。