【フランクフルト共同】チェコ国立銀行(中央銀行)が、外貨準備の一部を暗号資産(仮想通貨)のビットコインで保有する検討を始めることが30日、分かった。約1400億ユーロ(約22兆5千億円)の準備金のうち、5%程度に当たる1兆円規模を持つ可能性がある。資産の多様化が狙いで、実現すれば異例。他の中銀にも検討に向けた動きが広がるかどうかに注目が集まりそうだ。
チェコ中銀のミフル総裁が、英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで明らかにした。トランプ米大統領が仮想通貨の利用促進に前向きで、投資家の関心が高まっていることを踏まえた。チェコ中銀の理事会は30日、ミフル氏の提案を承認し、外貨準備への資産の追加が、資産の分散や収益に与える影響を分析する方針で一致した。
投資ファンドの運営経験があるとされるミフル氏は、ビットコインが多くの人の投資先の一つで、価値が上昇していくとした上で「私は他の銀行家と比べると、ジャングルに足を踏み入れる開拓者だ」と述べた。一方で、ビットコインの値動きの激しさも認めた。