東京都内のホテルで2023年2月、知人女性に抱きついたとして、暴行罪に問われた看護師浅沼智喜さん(35)を無罪とした青森地裁判決が31日、確定した。青森地検が期限の30日までに控訴しなかった。浅沼さんはトランスジェンダーの権利向上を訴える団体の元共同代表。浅沼智也の名前で活動している。
浅沼さんは取材に「やってもいないことで逮捕されると、人生が崩される。二度と同じことが起こらないよう、捜査は慎重に行ってほしい」と述べた。青森地検は控訴を見送ったことについて「コメントはない」としている。
1月16日の判決は、抱きつく行為をした根拠となる証拠は女性の証言のみとした上で、一連の証言の信用性を否定し「暴行を加えたと認めるには、合理的な疑いが残る」と結論付けた。求刑は罰金20万円だった。
浅沼さんは24年3月に強制わいせつ容疑で逮捕され、翌月に暴行罪で起訴された。