三重県熊野市の世界遺産・花窟神社で2日、春の例大祭があり、高さ約45メートルのご神体の巨岩から垂らした約170メートルの大綱を引いて周囲の木々などにかける「お綱かけ神事」が営まれた。大綱を引くと神の恵みが授かるとされ、大勢の参拝客が参加した。
氏子7人がまず巨岩の裏山に登り、大綱の端を頂上付近に生える木に結び付けた。参拝客らは力を合わせて、近くの海岸まで引っ張り、松林のご神木などにかけた。
東京都港区の自営業高橋孝子さん(63)は「綱に触れると神様と一体になる感じがした。とても楽しかった」と話した。神事は毎年2月と10月の例大祭に行われる。