政府は、デジタル技術で自治体の組織や業務を改革するデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に向け、国と都道府県が連携して人材を確保し、市町村と共有する制度づくりに乗り出す。デジタル人材の奪い合いは近年加速し、市町村単独での採用は困難との声が多い。企業の協力も得て、全国で500人を目標に確保し、市町村に継続的に派遣できるようにする。
DXが進めば、行政手続きがスマートフォンで簡単にできるなどサービス向上が期待できる。ただ、総務省の2023年4月時点の調査では、全国の市町村のうち213自治体でDX担当者が1人以下。うち37自治体は担当者不在だった。これらのほとんどが人口5万人以下で、自治体間の格差も懸念される状況だ。
新制度では、総務省が協力企業などの情報を基に派遣可能な人材をリスト化。都道府県はそれらを参考にしながら任期付き職員などとして雇用し、市町村のニーズに応じて派遣する。
また、派遣人材を「自治体DXアクセラレータ」として登録し、予算編成プロセスなど自治体業務に関する研修も行う。