【ワシントン共同】トランプ米政権が25%の関税を4日に発動すると表明したことで、カナダ、メキシコとの間で築いてきた経済、安全保障分野での密接な関係に亀裂が入った。カナダはNATOの一員で米国の同盟国だが、貿易戦争への発展をいとわないトランプ大統領の圧力で内政が混乱。メキシコは経済の対米依存という弱点を狙い撃ちされた。
米国とカナダは、北朝鮮のミサイル発射探知を含む北米上空の警戒を担う北米航空宇宙防衛司令部を共同で組織。近年は威圧的な行動を続ける中国への対応で連携を深めてきた。
トランプ氏は就任前からカナダについて「米国の51番目の州」になるべきだと語り、関税措置に言及。トランプ氏への対応を巡り、カナダの政権内で意見が割れ、1月上旬のトルドー首相の辞任表明につながった。
カナダのフリーランド前副首相は、トランプ氏の対中外交のだしに使われていると憤った。
メキシコは輸出の約8割が米国向け。自動車や医療機器など多岐にわたり、関税発動によりメキシコ経済が「壊滅的」(専門家)な影響を受けるのは必至だ。