インターネットで知り合った男性に覚醒剤を持ってくるようそそのかしたとして、覚醒剤取締法違反の教唆の罪に問われた「私人逮捕系」ユーチューバー今野蓮被告(31)と奥村路丈被告(29)の判決公判が3日、東京地裁であった。花田隆光裁判官は今野被告を懲役1年4月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)、奥村被告を懲役10月、執行猶予3年(同懲役1年)とした。
2人は「ガッツch(チャンネル)」を運営。盗撮や痴漢をしたとして一般人を取り押さえる動画も投稿していた。公判で「教唆したつもりはありません」といずれも無罪を主張した。
花田裁判官は男性が被告らに通信アプリで指示された通りの量の覚醒剤を持参していたことなどから教唆を認定。薬物の被害を防ぎたいと説明した撮影の理由も、結局は広告収入を得る目的があったとして「動機は独善的で酌むべき事情はない」と非難した。
判決によると、2人は2023年8月、女性を装って男性に「覚醒剤を一緒に使いたい」とメッセージを送り、東京都新宿区の待ち合わせ場所に覚醒剤を持参させた。