仏教経典を学習し、質問に回答する生成人工知能(AI)「ブッダAI」の英語版を開発し、ブータンで公開すると京都大の熊谷誠慈教授が3日、発表した。仏教徒が多いブータン側から、国民に仏教を身近に感じてもらう目的で利用したいとの要請があり、応じることにした。
ブッダAIは人生相談から社会問題まで、さまざまな質問にQ&A形式で回答する。経典の関連部分を引用した上で、対話型生成AI「チャットGPT」の機能を応用し、平易な解説文を作る。
今後、ブータンの僧侶に英語版のブッダAIを使ってもらい、仏教の教えと異なる点がないかどうかや、悪用のリスクを検証する。ブータンの国民がスマートフォンで使えるような一般公開に向け、ブータン側と議論して利用ガイドラインの作成をする。
熊谷教授と京大発スタートアップ(新興企業)のテラバースは共同で2021年に「ブッダボット」を、23年にはチャットGPTを応用した「ブッダボットプラス」を開発した。ブータンは英語を話せる国民が多く、ブッダボットプラスの英語版を開発することにした。