宇宙事業会社スペースワンが小型ロケット「カイロス」の打ち上げに挑戦する和歌山県串本町。目の前に発射場があるという立地を生かし、地元県立高に宇宙を学ぶ専門コースが設置された。高校生を対象とした宇宙教育は各地で始まっており、専門家は「もっと国が力を入れてサポートするべきだ」と話す。
県立串本古座高で2024年度に新設されたのが「宇宙探求コース」。宇宙開発の歴史や人工衛星の構造などを幅広く学ぶ。観測や衛星データ分析などの実践的な授業もあり、卒業後は大学進学や、宇宙関連企業への就職を視野に入れる。
担当は宇宙航空研究開発機構(JAXA)で勤務経験がある藤島徹教諭(57)。発射場近くでの教育を「本物体験で学びが豊かになる」と強調。千葉県市川市から移って入学した1年西本湊さん(16)は「宇宙について発射場近くかつ串本の自然の中で学べる」と充実した様子だ。
他の生徒にとってもロケットは身近な存在。24年12月の打ち上げではコース外の生徒も加わり、学校を挙げて挑戦を見守った。