【パリ共同】パリの裁判所は3日、当時10代だったフランスの有名俳優アデル・エネルさん(35)に性的暴行を加えた罪で映画監督のクリストフ・ルッジア被告(60)に有罪判決を下した。フランスメディアが報じた。エネルさんは2019年に事件を告発し、女性が性被害を訴える「#MeToo」運動の同国での先駆けとして注目されていた。
量刑は禁錮4年。うち2年は電子ブレスレット装着を通じて監視される。残りの2年は執行猶予。判決は、被告がエネルさんに対し「支配的な立場を利用した」と指摘し、3年以上にわたってエネルさんに触るなど性的なジェスチャーを取り続けていたと述べた。
被告は一貫して否認しており、弁護人は控訴する方針を明らかにした。
エネルさんはフランス映画界最大の賞セザール賞で主演女優賞を受賞。ベルギーの名匠ダルデンヌ兄弟監督の「午後8時の訪問者」やフランスのセリーヌ・シアマ監督の「燃ゆる女の肖像」など数々の名作に出演した。
フランス映画業界は最近、大物映画関係者らの過去の性加害が次々と暴露され、改善に向けた圧力が強まっている。