【北京共同】中国政府は4日までに、認知症対策の強化に向けた2030年までの行動計画を策定した。高齢化に伴って認知症患者が増加し「重大な社会問題になっている」との危機感を示した。伝統的な「家族介護」の考え方から大きな負担が若者にのしかかり、対応が急務となっている。
行動計画は国内で患者増加に歯止めがかからず家庭や社会に「厳しい困難」をもたらしていると指摘した。65歳以上を対象に認知機能検査を推進することや、科学的な予防知識を普及させることを盛り込んだ。
専門性を持つ医師や医療従事者を養成するほか、認知症に特化した施設の増設も求めた。
中国メディアが引用した中国老齢協会のデータに基づくと、21年時点で60歳以上の認知症患者は1507万人。協会は30年に2220万人、50年に2898万人まで増加すると予測している。
中国では儒教思想から「親孝行」として子ども世代が親の世話をする風潮が根強く残る。交流サイト(SNS)には「母が認知症で薬代の負担が大きい」といった切迫した悩みが投稿されている。