兵庫県姫路市は4日、優れた著書や研究に贈る第37回和辻哲郎文化賞の受賞作を発表した。一般部門は平井健介甲南大教授(44)の「日本統治下の台湾―開発・植民地主義・主体性―」、学術部門は哲学者鷲田清一大阪大名誉教授(75)の「所有論」が選ばれた。
姫路市によると、平井氏は日本統治時代の台湾史を利益配分の不平等性や統治される台湾の人たちの主体性といった観点で論じた。鷲田氏は「所有」という概念を哲学や歴史学、文化人類学などから多面的に考察し、新たな視点で捉え直した。
賞は姫路市出身の哲学者、和辻の功績を記念して市が設立した。授賞式は3月2日、姫路市市民会館で開かれる。