【ソウル共同】韓国の憲法裁判所は4日、尹錫悦大統領の罷免の是非を判断する弾劾審判で、尹氏が宣言した「非常戒厳」当時の軍や情報機関幹部の証人尋問を実施した。尹氏が国会封鎖や主要政治家の拘束を直接指示したかどうかが焦点。国家情報院のホン・ジャンウォン前第1次長は「大統領から全員捕まえろと言われた」と述べた。
ホン氏は、尹氏の電話では具体的な拘束対象者が示されず、呂寅兄・軍防諜司令官(当時)=内乱罪で起訴=に確認したと説明。呂被告は「警察と協力して国会を封鎖している」と話し、拘束対象者リストの内容を伝えたという。ホン氏はメモを取り「14~16人ほどだった」と振り返った。
今回は第5回弁論で、出廷した尹氏は自身の指示を否定した。
一方で、国会などへの兵力投入に中心的な役割を担ったとされる元軍幹部は明確な証言を避けた。呂被告は拘束対象者リストについて「刑事裁判が控えている」として陳述を拒否した。李鎮雨・前首都防衛司令官=同=もほとんどの証言を拒んだ。