南海トラフ巨大地震が発生した際、大きな被害が想定される静岡、高知など10県に応援職員を即時派遣する自治体を総務省が事前に割り当て、4月からの運用に向けて調整していることが4日、分かった。福島、群馬など主に東北や内陸部、日本海側の県から派遣する。応援自治体は通常、災害発生後に割り当てるが、南海トラフ巨大地震では通信障害などによる混乱が予想され、あらかじめ決めておくことで迅速な派遣につなげる。
今後、首都直下地震や日本海溝・千島海溝地震でも事前の割り当てを検討する。
総務省は2018年、被災自治体に全国の自治体から支援に入る「応急対策職員派遣制度」を開始。職員は避難所運営や罹災証明書の発行などを担う。派遣先を決めておけば平時から定期的な訓練や現地視察を重ね、スムーズに連携できるとみている。
10県はほぼすべての県域が「南海トラフ地震防災対策推進地域」に指定されている。今回の組み合わせは自治体間の距離や、個別に結んでいる応援協定などを考慮。特に被害が大きいと予想される5県には、複数の自治体を割り当てる。