政府、与党は4日、医療費が高くなった患者の自己負担を抑える「高額療養費制度」の上限額を引き上げる方針を修正する調整に入った。長期間の治療が必要な患者の負担に配慮する方向で厚生労働省が具体策を詰める。がん患者団体から「治療を諦めざるを得なくなる」などと反対意見が上がっていた。
石破茂首相は4日の衆院予算委員会で「当事者の理解を得ることは必要だ。最大限努力する」と述べた。福岡資麿厚労相が患者団体と近く面会し、合意形成を目指す。
自民党の森山裕、公明党の西田実仁両幹事長は4日の会談で、修正も含めて検討する必要があるとの認識で一致した。
自己負担の上限月額は年収や年齢に応じて異なる。政府方針では上限月額を2025年8月から27年8月にかけて段階的に引き上げる。
直近12カ月以内に3回利用すると4回目から上限月額が下がる仕組みも見直す。平均的な年収区分「約370万~770万円」では4回目以降の上限月額が現行の約4万4千円から最大で約7万7千円に上がる。修正では、この負担増を緩やかにする案を検討する。