東京都の名所を巡る日帰り観光バスツアーなどを手がける「はとバス」。創業者の山本龍男が戦前にあった遊覧バスの復活を目指して1948年に設立した新日本観光が前身だ。(共同通信=出井隆裕記者)
翌1949年の元日に成田山新勝寺(千葉県)への初詣の団体貸し切りバスの運行で営業開始を迎えた。
その年の3月には主力となる日帰り観光バスツアーを運行。燃料不足の影響もあり、上野駅を出発して皇居前や浅草公園などで降車見学する半日コースだった。初代の女性ガイドも運行開始直前に5人を採用した。
平和の象徴、ハトのマークは創業当時からバスに描いたため会社名よりも「はとバス」の愛称で親しまれ、後に社名に採用した。高度経済成長の波に乗り、東京タワーや上野動物園などを巡るツアーを開設。1964年の東京五輪のほか、大相撲やプロ野球、ボウリングブームもツアーのテーマに巧みに採り入れた。
最近では新型コロナ禍で打撃を受けたが、影響の緩和とともに復活。2022年に始めた羽田空港の制限エリア内を走るコースは飛行機が間近で見られると話題だ。