反戦や福祉をテーマにした社会派作品で知られる映画監督の山田火砂子(やまだ・ひさこ、本名久子=ひさこ)さんが1月13日、誤嚥性肺炎のため東京都新宿区の病院で死去した。92歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は次女上野有(うえの・あり)さん。3月25日に東京都新宿区百人町1の17の8、ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会でお別れの会を開く。
舞台女優などを経て1972年、後に夫となった山田典吾監督らが立ち上げた映画製作会社「現代ぷろだくしょん」に参加。実写版の「はだしのゲン」3部作や「白い町ヒロシマ」などの製作に関わった。
監督業にも進出し、初監督作のアニメ「エンジェルがとんだ日」では、重度の知的障害がある長女を育てた自身の経験を映画化。他の監督作に「大地の詩」や「母」など。
2024年に公開された寺島しのぶさん主演の「わたしのかあさん 天使の詩」が最後の作品となった。「現代ぷろだくしょん」によると、亡くなった時点で国内では最高齢の女性映画監督だったという。