長野県佐久市で2015年に中学3年の男子生徒が車にはねられ死亡した事故を巡り、飲酒運転の発覚を免れようと近くのコンビニに立ち寄った行為が道交法違反(ひき逃げ)の罪に当たるかどうかが争点の裁判で、最高裁が7日、男性被告(52)に判決を言い渡す。遺族は「すぐ救護されれば助かったかもしれない」と、真相解明を求め奔走してきた。
事故は15年3月23日に発生し、和田樹生さん=当時(15)=がはねられた。被告は樹生さんを発見できず、約50メートル離れたコンビニで口臭防止の商品を購入。その後、付近で見つけて人工呼吸などをした。救急車到着までは23分かかった。
志望校に合格し新生活を心待ちにしていた樹生さん。合格後も塾に通い続け、高校からの課題も早々に終わらせた。背負ったリュックサックからは、高校では文武両道に励み、自立できるように頑張ると抱負をつづった作文が見つかった。
被告は当初、自動車運転処罰法違反(過失運転致死)罪だけに問われ、執行猶予付き判決が確定した。