日産自動車が、ホンダとの経営統合協議を打ち切り、合意を撤回する方針を固めたことが5日分かった。ホンダ側から打診された日産の子会社化案への反発が強く、経営合理化策を巡る溝が埋まらなかった。自動車産業の大型再編となる統合計画は、昨年12月の協議入り発表から、わずか1カ月余りで見送りとなった。経営統合に向けた協議を再度行うかどうかは不透明だ。
日産は同日、取締役会を開催し、合意撤回の方針を確認した。日産の内田誠社長が近くホンダの三部敏宏社長に伝える方針。関係者によると、取締役会ではホンダが踏み込んだ合理化策を求めてきたことや、子会社化案を提案してきた手法が強引だとの意見が大勢を占めた。協議継続を求める声も一部あったという。
ホンダと日産は5日「さまざまな議論を進めている段階」とのコメントをそれぞれ発表。2月中旬をめどに方向性を発表する方針を改めて示した。
ホンダと日産は昨年12月23日に本格的な統合協議入りを発表。今年6月に統合契約を結び、2026年8月に持ち株会社を発足させ、両社が傘下に入る計画だった。