【ナイロビ共同】国連は5日、鉱物資源が豊富なコンゴ(旧ザイール)東部で続く反政府勢力「3月23日運動(M23)」と政府軍の戦闘に伴い、主要都市ゴマで1月下旬以降に少なくとも2900人が死亡したと発表した。M23の一方的な停戦宣言は機能していないと指摘し、人道危機悪化に強い懸念を表明した。
隣国ルワンダの支援を受けているとされるM23は、ゴマをほぼ掌握したとみられる。国連コンゴ安定化派遣団(MONUSCO)の幹部はオンライン記者会見で「市内には腐敗した遺体がまだ多数残されている」と話し、死者数がさらに増えると示唆。衛生状況の悪化に伴い感染症が発生する恐れがあることにも言及した。
M23は5日、交流サイト(SNS)への投稿で「ゴマがある北キブ州の新しい知事を指名した」と主張した。支配体制の確立を目指しているとみられる。ゴマの空港もM23が掌握しているが、戦闘による管制塔への損傷もあって閉鎖が続き、支援物資を輸送できなくなっているという。