交流サイト(SNS)を介した投資詐欺と恋愛感情に乗じたロマンス詐欺、特殊詐欺の被害総額が、2024年は全国で約2千億円に上ったことが6日、警察庁のまとめ(暫定値)で分かった。特殊詐欺は前年比約269億円(59.4%)増の約721億5千万円、投資・ロマンス詐欺は約812億8千万円増の計約1268億円に上った。いずれも過去最悪。
振込の際にインターネットバンキングを使わせるケースが目立つ。ATMより高額のやりとりができ、ネット空間で完結するため周囲が詐欺に気づきにくい。ネットバンキング利用は、投資・ロマンス詐欺での全ての振込と、特殊詐欺の500万円以上の振込による被害額の約7割に上った。
警察庁は執拗にネットバンキングの口座開設や送金を要求してくる相手への注意を呼びかけ、金融機関には不正取引を検知するモニタリングシステムの積極活用を働きかけている。
これらの詐欺を含む24年の刑法犯認知件数は73万7679件で、3年連続で増えた。