2023年に和歌山市で岸田文雄前首相の演説会場に爆発物を投げ込んだとして、岸田氏らに対する殺人未遂や爆発物取締罰則違反など五つの罪に問われた無職木村隆二被告(25)は6日、和歌山地裁(福島恵子裁判長)で開かれた裁判員裁判の被告人質問で「岸田さんを狙おうと思っていた。世間の注目を集めるためには、こういったことをやるしかないと思った」と述べた。
弁護側の質問で被告は、導火線を長くして爆発まで時間がかかるようにしたと説明。「煙がたくさん出るから、皆逃げるだろうと思った」と話した。実際には聴衆ら2人が負傷しており「けがをさせるつもりはなかった。申し訳ない」と謝罪した。
被告側は初公判で殺意を否認。選挙制度に不満を持ち、裁判を起こしたが請求を棄却されていた。この日の被告人質問では「総理大臣のような有名な人の近くで大きな音を立てたら、私に注目が集まり、裁判が報道されるだろうと思った」と動機を明かした。