日産自動車の内田誠社長が6日午前、東京都内のホンダ本社を訪問し、ホンダの三部敏宏社長と会談した。ホンダとの経営統合協議を打ち切って合意を撤回する方針を固めており、ホンダにその意向を伝えた。ホンダから打診された日産の子会社化案を拒否する構え。
ホンダと日産は昨年12月に本格的な統合協議入りを発表し、当初は持ち株会社を設立して両社が傘下に入る計画を示した。しかし、業績が悪化した日産の合理化策の実効性をホンダが懸念し、日産を子会社化して経営の主導権を握るとする新たな提案をしていた。
ホンダは、日産が昨年11月に打ち出した世界で9千人の人員削減や生産能力の2割縮小を柱とする合理化策の実行を統合条件としていたが、具体化が遅いとして不満を募らせていた。
一方、日産は5日に取締役会を開催し、合意撤回の方針を確認した。ホンダが踏み込んだ合理化策を求めてきたことや、子会社化案を提案してきた手法が強引だとして強く反発している。
ホンダと日産は当初、1月末をめどに統合の方向性を決めるとしていたが、延期していた。