日本製鉄の森高弘副会長は6日、2024年4~12月期連結決算の記者会見で、7日に予定されている日米首脳会談に関連し「(USスチール買収計画は)最良のディール(取引)と確信している。道が開ける一つのきっかけになればと思って見守っている」と期待を示した。
森氏は「スキーム(枠組み)を変える選択肢はない。トランプ大統領とディールをするかしないかはこれから先の話だ」と強調。米国を象徴する企業に対する買収計画への心理的な反発には「技術やノウハウは注入するが、USスチールのジャパナイズではなく日鉄がアメリカナイズすることだ」と理解を求めた。
日鉄は買収計画に禁止を命じた米政府に対し、命令の無効と審査のやり直しを求めて提訴している。
森氏は今回の買収について「トランプ政権の製造業の復権という方針に100%合っている」と自信を見せた。「トランプ大統領が(バイデン前大統領の命令を)覆して認め、再審査すると命じる権利も持っている」と述べ、トランプ氏への働きかけで事態の打開につなげたいとの認識を示した。