「天下の台所」と呼ばれた江戸時代の大阪で、各藩の蔵屋敷から出土したワイングラスやアワビの貝殻、泡盛の瓶などを展示する特別企画展「発掘!大名たちの蔵屋敷」が大阪歴史博物館(大阪市中央区)で開催されている。火曜日休館。3月3日まで。
杉本厚典主任学芸員によると、福岡藩士が蔵屋敷での生活などを記した「浪速詰方日記」に、藩が金策のために商人をもてなしたことが記されており、出土した高級食材や美しいそろいの食器などが接待用だったと推測する。
大阪市では1990年の佐賀藩蔵屋敷の発掘以降、広島、高松、鳥取などの各藩の蔵屋敷が調査されており、出土品など約450点を展示。
鳥取、高松藩からは泡盛の瓶が出土。泡盛は薩摩の島津氏を通じた献上品で、薩摩藩からの贈答品だった可能性がある。刀傷にも効く薬として重宝されたという。広島、佐賀藩からはワインのボトルやグラスが出土。津山藩からは大型のアワビの貝殻が出土している。
佐賀藩蔵屋敷は、現在の大阪地裁・高裁の場所にあった。