2032年に地球に衝突する可能性がある小惑星が、昨年末に発見された。米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)は、直径40~90メートル、現時点での衝突確率は1%以上との推定を示している。小惑星はその後の観測で衝突しないと判明する場合が多く、各国の専門家は「直ちに行動を起こすには時期尚早だ」としている。
小惑星「2024 YR4」は昨年12月、南米チリにある望遠鏡で発見された。NASAなどによると、軌道から推測すると地球への最接近は32年12月22日で、衝突確率は1.9%(2月6日時点)。太平洋東部から南米、アフリカ、南アジアに落ちる可能性がある。日本は含まれていない。落下地点から約50キロ先まで、爆風の被害が及ぶ恐れがあるという。
現在、衝突確率が1%を超える小惑星は他には把握されていない。発見直後でデータが少ない天体は軌道の誤差が大きく、衝突確率は変動する。地球から4800万キロにあるこの小惑星は楕円形の軌道でいったん遠ざかり、今回地上から捉えられるのは4月ごろまでの見込み。