アシックスのランニングシューズの旗艦ブランド「GEL―KAYANO（ゲルカヤノ）」シリーズは1993年の初代発売以来、モデルチェンジを重ねてきたロングセラーだ。最新モデルの「31」は2024年8月に国内販売を開始した。（共同通信＝出井隆裕記者）
開発したアシックスの西田朋広（にしだ・ともひろ）さんは「前モデルの『30』で大幅なリニューアルをしており、その改善点をしっかりと続ける『2歩目』として緊張感をもって開発しました」と語る。
軽いランニングからフルマラソンまでを趣味で楽しむランナーがターゲットだ。2023年発売の「30」ではランナーが疲れると前傾姿勢になる点に改めて着目した。
走り始めはかかとで着地し、つま先で蹴り出していても、疲れると土踏まず付近で着地するようになる。「『30』からは疲れた後も安定性と快適性を維持するために靴底の形状を工夫したり、高反発のクッション材で土踏まずを支えたりする『4Dガイダンスシステム』を採り入れました」
商品開発に携わりたいと思い、同社に入社。シューズの開発畑を歩んできた。「『31』ではボテッとした外観をスリムにし、つま先部分に通気性と伸縮性に優れたメッシュ素材を使っています」
希望小売価格は2万900円。販売は「30」を上回る勢いで推移している。「モデルチェンジで必ずアップデートするという目標を達成できてホッとしています」。千葉県出身、35歳。（価格と年齢はいずれも2025年1月時点）