埼玉県八潮市で県道が陥没しトラックが転落した事故で、県が設置した復旧工法検討委員会の委員長を務める日本大の森田弘昭教授(下水道工学)が8日、共同通信の取材に応じ、陥没の原因になったとされる現場地下にある破損した下水道管について、工法次第では「本格的な復旧まで急いでも3年程度かかるだろう」との見解を示した。
破損した下水道管について、森田教授は「硫化水素による腐食が原因だとすれば、周辺の管も同様に損傷している恐れがある」と指摘。現場の上流と下流をバイパスでつなぎ、迂回する工法が考えられるとした。
ただ下水道管は内径約4.7メートルと巨大で、地下深くに設置する必要がある。「地盤調査や周辺住民の同意も必要となるため、着工までには時間を要する」と語った。
陥没事故後、県は12市町の約120万人に下水道の利用自粛を求めている。森田教授は下水道管内のがれきなどが撤去されれば「本格復旧前でも下水道はある程度利用可能で、自粛は解除できるだろう」と指摘した。