人工妊娠中絶のための飲み薬「経口中絶薬」が日本で初めて承認された2023年4月から24年3月末までの約1年間で、この薬を服用した中絶が1440件だったことが8日、厚生労働省への取材で分かった。5歳ごとの年齢層で見ると、最多は20~24歳の379件で、25~29歳の349件が続いた。最年少は13歳。専門家は「まだまだ広がりは不十分」とした。
出産するか、しないかを自分で決める権利は「性と生殖に関する健康と権利(SRHR)」と呼ばれ、日本での取り組みの遅れを指摘する声も上がっている。3月8日は国際女性デー。
経口中絶薬は、約40年前にフランスで初めて認可されたが、日本では23年4月28日に英製薬会社が開発した「メフィーゴパック」が承認された。妊娠9週までが対象で、母体保護法の指定医の下で服用できる。
厚労省がまとめた衛生行政報告例によると、服用した年齢は13歳と14歳が各1件、15歳9件、16歳11件、17歳21件、18歳28件、19歳50件。30~34歳263件、35~39歳223件だった。