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リアルの地下アイドル!!元鉱山で選抜総選挙 主役はマンガン採掘再現のマネキン37体

共同通信 2025年2月9日 9時5分

 アイドルグループの人気投票「選抜総選挙」が三陸沿岸の岩手県野田村で開催されている。舞台は元鉱山の地下博物館。採掘の様子を再現するマネキンたちがメンバーだ。「地下420メートルからやってきた」とちょっと笑える設定で、交流サイト(SNS)などで話題が拡散して来館者増に一役買っている。(共同通信=鶴田智)

 野田玉川鉱山はマンガン生産で国内最大規模を誇ったが、輸入増のあおりを受けて1986年に採掘を停止。翌年には坑道の一部を地下博物館「マリンローズパーク野田玉川」にして、鉱石や世界各地から集めた宝石の原石を展示している。

 その博物館で開館以来、採掘を再現するマネキン37体がアイドル「MANGAN BOYz(マンガンボーイズ)」だ。

 4年前の第1回総選挙で1位の「剛丼。村一番のイケメン。彼見たさで選鉱場から女子が消えた」。2位の「お銀。10代の頃アイドル活動をしていたが芽が出ず帰省」「谷江塁。通称ダニエル、お銀と昔いろいろあり頭が上がらない」。洞本鉱一、南よーこ…どこかで聞いたような名前を含め、略歴を博物館で働く全員で考えた。

 第1回総選挙を実施すると、博物館には鉱石好きに加え、ボーイズを見に来た若い世代や家族連れが増えた。来館者は東日本大震災やコロナ禍で落ち込んだ頃に比べて倍増し、現在は年間約4千人。開館当初の3万人には遠いが、城内義典館長(57)は「国内最大級のアメシストの原石などお宝の展示品がある。目標は10万人」と意気込む。

 野田村を含む三陸一帯は震災で甚大な被害に遭った。村の復興に役立てばと、ボーイズのメンバーが村外のイベントに「出張」して特産品をPRすることもある。

 参考にしたのが兵庫県朝来市の生野銀山だ。マネキンアイドルグループ「GINZAN BOYZ(ギンザンボーイズ)」が2017年に誕生して人気を集めており、城内さんが朝来を訪ねて相談した。生野銀山の当時の担当者で、市観光協会職員の大坂雄吾さん(58)は、城内さんと「将来コラボできればいいですね」と会話したという。

 マンガンボーイズの総選挙は4年に1度。投票期間は3月までで、ネットで誰でも投票できる。結果は4月下旬ごろ発表予定だ。

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