【ベルリン共同】バルト3国は9日、欧州の電力網と接続した。ロシア産エネルギーへの依存脱却が目的で、8日にソ連時代から続いてきたロシアの電力網との接続を遮断した。リトアニアの首都ビリニュスでは9日、式典が開かれ、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は「もう誰も私たちを脅すことはできない」と強調した。
リトアニア、エストニア、ラトビアのバルト3国はソ連に併合された歴史があり、ロシアによるウクライナ侵攻を巡っては批判の急先鋒。3国はリトアニアに接するポーランドを経由する形で欧州の電力網につながった。
フォンデアライエン氏は「ロシア産エネルギーには代償が伴う」と述べて「エネルギーの独立」を祝福した。一方、バルト海では海底通信ケーブルの損傷などが相次ぎ、ロシアの関与が疑われており、リトアニアのナウセーダ大統領は「欧州レベルで安全保障の確保に取り組まなければならない」と訴えた。