コーヒーや緑茶でハエ退治が可能に―? コーヒーなどに含まれるカフェインをハエの一種に過剰摂取させると、1週間以内にほぼ死滅することが分かったとの研究成果を、岡山大の宮竹貴久教授(応用昆虫学)らのチームが10日、発表した。人体に優しい害虫駆除の手段として実用化できる可能性があるという。
カフェインは人が飲むと気分を高揚させる効果がある一方、取り過ぎると不眠やめまいなどが起こると指摘される。チームによると、昆虫でも高濃度では発育抑制の効果があるとの報告はあるが、害虫駆除に有効かどうかは、はっきりしなかった。
宮竹教授らは、日本を含む温帯・熱帯地域に広く生息する「ヒロズキンバエ」に注目。カフェイン入りの砂糖水を脱脂綿に含ませて自由に飲ませ、カフェイン濃度を0.01~2%に変えて状態を比較した。
その結果、砂糖水だけを与えた時は寿命が延びたが、カフェイン濃度0.5%以上では、7日以内にほとんどが死滅した。寿命との関連は不明だが体内脂肪量が減少。動きを自動計測してみると、ハエの活動自体も鈍っていたという。