【ワシントン共同】10日までに国連に提出が求められている温室効果ガスの新たな削減目標について、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に参加する200近くの国のうち、期限内に目標を提出したのは1割に満たない12カ国にとどまる見通しであることが分かった。AP通信が報じた。日本も提出していない。
欧州連合(EU)の気象情報機関によると、2024年の世界の平均気温は記録が残る1850年以降で最高を記録し、対策強化は先送りできない状況だ。温暖化対策に後ろ向きなトランプ米大統領の存在が対策推進に向けた国際機運に影響した可能性もある。
主要排出国で提出したのは米国と英国、ブラジル、アラブ首長国連邦(UAE)。排出量世界2位の米国はバイデン前政権時代の提出で、トランプ氏はパリ協定からの再離脱を指示する大統領令に署名しており、目標の実効性は乏しい。他に提出したのは排出量の少ない国々。
各国は削減目標を随時見直し、5年おきに新たな目標を報告することが求められている。2035年時点の目標提出は10日が期限だった。