欧州バルト3国の一角でIT先進国のエストニアが、日本へのドローンやサイバーセキュリティー技術の売り込みを強化している。大国ロシアに隣接し、ウクライナへの軍事支援も続けるエストニアは、国防装備の無人化やIT化の研究開発に力を注いでいる。日本は自衛隊の人員不足が深刻化しており、商機との判断がある。
エストニア防衛航空宇宙産業協会幹部のレネ・エハサル氏が、東京都内の同国大使館で11日までに共同通信のインタビューに応じた。無人型の装甲車両など一部装備は、導入を目指し既に日本側との交渉が進んでいるといい、エハサル氏は「ドローンや人工知能(AI)、電子戦技術などでも両国間の協力を拡大できる余地が大きい」と先行きに期待感を示した。
エストニアはかつて併合された旧ソ連から1991年に独立。近年は行政手続きなどのデジタル化を国を挙げて進め、IT系の新興企業も多い。
エハサル氏は、ウクライナへの軍事支援を通じて得られた教訓を踏まえ「自国企業の技術開発や改良のスピードは格段に早くなっている」と強調した。